京王新宿駅でうっかり吸われた『サイボーグ009』ポップアップストアが、新作アニメとVOD再視聴を決意させた日

※本記事にはプロモーションが含まれています。

京王百貨店口で降りたら、もう逃げ場はなかった

その日、私はただ普通に乗り換えをするつもりだった。何の覚悟もなく、いつものように京王新宿駅……いや正確には西口改札で電車を降りただけだ。改札を抜けて数歩。B1階 on the Cornerという、ちょっとした展示スペースがあるのをご存知の方も多いと思う。そのエリアが視界に入った瞬間、見覚えのある赤と黄色が飛び込んできた。え? ちょっと待て。これ、見間違いじゃないよな?

CYB00960 THE FINAL ~サイボーグ 009 60th Anniversary~

目の前にあったのは『サイボーグ009』のビジュアルサイン。誕生60周年を記念して、昨年より開催されてきたアニバーサリーイベントがファイナルとして再び新宿で開催だって。えっ(;゚Д゚)知らんかった。しかも2月17日スタートと書いてある。今日じゃん。初日じゃん。偶然って怖い。いや、むしろこれは呼ばれたのでは? などと都合のいい解釈をしながら足は完全にそちらへ向いていた。吸引力がすごい。ブラックホールか。

会場はそのまま流れるように特設スペースへ続いている。動線が完璧すぎる。うっかり降りた人間を確実に絡め取る設計。正直に言うと、私はもうこの時点で負けを認めていた。だって009だぞ? 同世代のオタクにとっては、遺伝子レベルで反応するワードだろう。

そして何より、原画の力が強い。あの線、あの陰影、あの“動き出しそうな静止”。やっぱり009はすごい。子どもの頃はストーリーに夢中だったけれど、今見ると一枚の絵としての完成度に圧倒される。009って、こんなに美しかったっけ? いや、きっと当時も美しかった。ただ自分が追いついていなかっただけだ。

しかも初日。なんとなく漂う高揚感。スタッフさんの丁寧な案内。まだ荒らされていない売り場の整然さ。こういう“はじまりの空気”って、妙にテンションが上がる。偶然通りかかっただけのはずなのに、気づけば完全にイベント参加者の顔になっている自分がいた。

予定なんて一瞬で消えた。スケジュール? 知らん。大人の理性? 改札に置いてきた。こうして私は、ただの通過点だったはずの駅で、がっつり009の世界へ踏み込むことになる。まさかこのあと、新作アニメやVODを真剣に調べ始めるとは、この時の私はまだ知らないのである。

偶然は、ときどき人生のリマスター版を再生してくる。あの日の京王百貨店口は、完全にそれだった。

入口で完結する整理券システム、文明の勝利

ポップアップと聞くと、まず脳裏に浮かぶのは「並ぶ」という二文字だ。出直してから列をなす未来を一瞬だけ覚悟した。しかし現実は違った。入口で案内してくれたスタッフさんが、「LINEで整理券を取得できます」とにこやかに説明してくれる。言われるがままその場でQRを読み取り、必要事項を入力。はい、完了。え、もう? 体感30秒。文明の進化がすごい。

そのまま即入場。待機ゼロ。ストレスゼロ。ポップアップってこんなにスムーズだったっけ? 昔なら整理券は紙で、時間を見計らって戻ってきて、気づけば予定がぐちゃぐちゃ、みたいな展開もあった。でも今回は違う。デジタルの力で“熱”を冷まさずに売り場へ送り込んでくる。これは正直、うまい。

おかげでテンションは最高潮のままグッズエリアへ突入。そこで改めて思う。やっぱり強い。何がって、009の絵がだ。

グッズ映えという名の破壊力


原作ビジュアルを大胆に使ったアクリルスタンド、クリアファイル、ポスター。線の勢いと陰影の深さが、そのまま“商品力”になっている。これが現代デザインと組み合わさるとどうなるか。答えは簡単。財布が開く。

009の横顔。鋭い視線。風を切るマフラー。子どもの頃は物語の中のヒーローだった存在が、いまはアートピースとして目の前にある。しかもグッズとして持ち帰れる。これはずるい。冷静な判断力を保てる人がいるなら教えてほしい。


よりによって給料日直後。危険なタイミングで危険な場所に来てしまった。だが後悔はない。なぜなら、これは消費ではなく再接続だからだ。あの頃の自分と、いまの自分をつなぐ儀式。そう思えばレジに向かう足取りも軽い。

売り場には同世代らしきファンの姿も多い。心と心で会話が成立する空気。分かるよな、これ。口に出さなくても伝わるやつだ。009は思い出で終わらない。こうして形を変えて、ちゃんと現在に存在している。

LINE整理券のスマートさと、石ノ森章太郎の圧倒的画力。光の速さで、私は完全に持っていかれた。理性は改札に置いてきたまま、両手にはしっかり戦利品。こうしてポップアップは、単なる買い物を超えて“事件”になったのである。

そしてまだ、この日いちばんの爆弾を私は知らない。

知らなかったのは、自分のほうだった


グッズを抱えて満足しかけたその時、視界の端に「舞台サイボーグ009」の文字が飛び込んできた。え、舞台? 009が? 正直に言うと、そこで一瞬フリーズした。自分の中で009はアニメと漫画の中の存在で止まっていたからだ。でも現実は違った。展示パネルには舞台ビジュアル、キャスト情報、過去公演の写真。パンフレット。アクスタ。ちゃんと“いま”の表現として動いている。

思い出の棚に大事にしまっていたつもりが、向こうはずっと走り続けていたらしい。置いていかれていたのは、私の認識だった。

クリエイターコラボという現代的進化

さらに奥には、現代のクリエイターとのコラボグッズがずらりと並ぶ。原作のビジュアルを大胆に再解釈したデザイン、ストリートテイストに落とし込んだTシャツ、ポップアート風のアクリルパネル。009という存在が、いろんなフィルターを通して拡張されている。

これが面白い。懐かしさに寄りかかるだけではなく、“いまの感性”と混ざっている。だから若い世代にも届くし、こちら側も新鮮な気持ちで見られる。過去の名作を守るのではなく、ちゃんと更新している感じがするのだ。

ソフビ展示に見るヒーローの立体感


ソフビ展示も昭和を懐古させる心憎い演出だ。立体になった009たちは、二次元とはまた違う存在感を放っている。マフラーの躍動、スーツのシルエット、わずかな表情のニュアンス。ガラスケース越しなのに、ソフビという素材が持つ少し柔らかい質感が、逆にヒーローを身近に感じさせる。完璧に美化された偶像ではなく、触れられそうな存在。子どもの頃に憧れたヒーロー像と、いまの目線で見る造形美が重なって、なんとも言えない感情になる。

会場では、ぬいポーチから推しボーグを取り出して記念撮影するファンの姿も見かけた。てかどこで売ってたんだサイボーグ009ぬい。分かっている人たちはちゃんと準備して来ている。そして静かに主張している。009は“懐かしい作品”ではなく、“いま推しているコンテンツ”なのだと。

かえるのピクルスとコラボ。

昭和50年代生まれ、こういうのに弱い。やめて。(買う)

ジョー等身大アクリルパネル。
21万7,500円であなたのお部屋に。

そう考えると、このポップアップは単なる物販イベントではない。過去と現在を接続する中継地点みたいな場所だ。舞台、コラボ、ソフビ。どれもが「まだ終わっていない」と静かに主張している。

009は思い出の中で色褪せる存在ではなかった。こちらが振り返るのを待たず、ちゃんと現在進行形で進化していたのである。そしてその事実は、地味に衝撃だった。

そのCMは、油断した隙に刺さってきた

グッズをあさり終えて一息ついた頃、会場内のモニターで映像がリピート再生されていたのに気づいた。何気なく視線を向ける。次の瞬間、心拍数が一段階上がる。新作アニメの告知映像だった。

009が動く。現代の映像技術で、滑らかに、鮮やかに。あのマフラーが再び闇を切り、あの瞳がこちらを捉える。数十年前に胸を撃ち抜かれた感覚が、まったく同じ角度からもう一度飛んできた。やめてくれ。こっちはもう財布を開いた後なんだ。

でも正直に言う。嬉しかった。あの頃のヒーローが、懐古枠ではなく“新作”として戻ってくる。これは事件だ。展示で感じた「現在進行形」は、ただの演出ではなかった。制作が進み、声が吹き込まれ、映像が形になって我々の元に届くまで、あと少し。
https://cyborg009.jp/
『サイボーグ009 ネメシス』
めちゃくちゃ楽しみだ。


レジ手前でこのケース。「ついでにコレも」とか言ってみたい。

帰りの電車で、もう検索していた

会場を出て階段を下りながら、私はすでにスマホを握っていた。「009 アニメ 配信」。完全にやられている。こうなると止まらない。新作を待つ前に、過去作を見返したくなるのが人情というものだ。

調べてみると、シリーズは意外とVODで拾える。旧作アニメ、リメイク版、劇場作品。時代ごとに解釈が違う009を一気に横断できる環境が、いまは整っている。昔はレンタルビデオ屋で棚を探し回ったものだが、いまは指先ひとつ。文明の進化、ここでも炸裂である。
U-NEXTは初回月額利用無料で見放題、Prime VideoではAmazonプライム会員ならいくつかの作品が視聴可能。
思えば、ポップアップで見た原画、舞台情報、コラボグッズ、そして新作CM。そのすべてが一本の線でつながっていた。過去を懐かしむだけで終わらせないための導線。気づけば私は、その線の上をきれいに歩かされている。

大阪万博コラボグッズもある

3月3日までの期間限定。しかも3月1日はミャクミャク様とツーショット撮影できるイベントもあるぞ。
だから 急げ、とは言っておこう。でも本当に急ぐべきなのは、イベント会場だけじゃない。自分の中で止まっていた009の時間だ。あの頃のヒーローは、いまも走っている。ならばこちらも、もう一度走ればいい。

京王新宿駅での“うっかり”は、ただの寄り道ではなかった。新作アニメへの期待と、VODでの再会を同時に連れてくる仕掛けだったのだ。帰宅後、私は早速再生ボタンを押した。画面の中でマフラーが翻る。そうだ、これだ。この感覚だ。

009は、思い出の奥にしまっておくには、まだ熱すぎる。

タイトルとURLをコピーしました